
2025/2/28 『失敗なんてない』 開成町福祉大会 その1
2月22日(土)、令和6年度開成町福祉大会が開催されました(@開成町福祉会館)。今回は、山口達也さんの講演についてお伝えいたします。
『人生をあきらめない~アルコール依存症からの再出発~』
元TOKIO・山口達也さん(以下“山口さん”)に、『人生をあきらめない~アルコール依存症からの再出発~』と題して、お話をいただきました。
山口さんは2018年に芸能界を引退。2020年に酒気帯び運転によるバイク事故(単独事故)を起こし、自らがアルコール依存症であることを認めました。
その後、ASK認定「飲酒運転防止インストラクター」や「依存症予防教育アドバイザー」、JADP認定「メンタル心理カウンセラー」の資格を取得し、アルコール依存症および依存症全般に関する講演活動や依存症患者に向き合う活動を続いています。
お話いただいた概要は以下の通りです。最も感銘と共感を得た言葉は『人生に失敗なんてない』です。
・依存症は本当に恐ろしい病気。自らそして他人の“命”に関わってくるから。
・4年前に依存症であることを“認めた”。現在はお酒は一切飲んでいない。アルコール依存症は一生直らないとのこと。治療方法は一口も飲まないことのみ。今度飲んだら死ぬと思って生きている。
・依存症は脳のコントロール障害。嘘などをきっかけに信用・信頼を失い、孤立していく。善悪の判断がつかなくなり、闇バイトなどに手を染めるようになってしまう。
・4年前にすべてを失った。深く反省している。今、振り返りながら、答え合わせをしている。
・人間は比較する生き物。“比較→羨み→恨み“となるか、”比較→頑張ろう→向上心“となるかはその人次第
振り返ると、自己肯定感が低過ぎ、自らを孤独に追い込んでいた。
・過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる!!!
・ダメなことは、“思うように生きれていない”と思うこと。
・“失敗は本当に失敗なのか???”。人生に失敗なんてないと思う。完成・完ぺきではなく、常に成長を目指すことが大事だと思う。

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とても正直に、本音を語っていただいたとの印象です。
『この講演活動も治療の一環。なぜなら、お話している間はお酒を飲まずにいれるから(笑)。』との言葉がありました。意外と本音ではないかと感じました。なぜなら、依存症の克服はそれだけ大変なことだと思うからです。
以前、文命中学校のPTA会長を務めていたとき、PTA行事として、川崎市のダルク(薬物依存症患者を支援する民間団体。Drug Addiction Rehabilitation Center)の皆さんにお越しいただきました。
患者の皆さんや支援者からの生々しい体験談以外にも、練習を積み重ねた音楽演奏もお聞かせいただきました。
そもそもそのような団体の存在を知らなかったことを恥じましたが、再出発・人生やり直しに向けて努力される姿に、心を洗われた気分でした。
自身も日々失敗し続けていますが、殊更落ち込んだり、後ろ向きにならず、前向きに生きて行こう!と勇気をいただいたことを今でも覚えています。
また、余談ですが、働き過ぎ(ワーカホリック)も依存症の一種と知ったときは少しショックでした💦
山口さんのお話を聞いて、あらためて前向きな気持ちになれました。ありがとうございました。
人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町 町長 山神 裕