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2023/8/23 消防庁長官より直接講義!

8月9日(水)、神奈川県の町村長向けのセミナーにて、消防庁長官 原邦彰氏より直接、講義をいただきました。

現職への就任はこの7月ということで、まだ日が浅いですが、旧自治省に入省以降、様々な“危機管理部門”に携われたご経験もあり、思い入れのある、且つ確たる信念に基づくお話は非常に熱がこもっておりました。

また、この6月まで総務省自治財政局長でらしたことから、“地方財政”についてもお話をいただけるという非常に贅沢な1時間半でした。

同氏は神奈川県のご出身であり、現在も在住ということで、県下の市町村や地理などに精通してらっしゃったこともあり、質疑応答は各町村のかなり具体的な話題ばかりとなりました。

講義のサマリーは以下の通りです。

「地方財政の諸課題」

・2040年にかけて、国としては高齢者数は増加し、高齢化率も上昇するが、高齢者数が減少する/ほとんど増えない県がある。その先も見据えて、この事実に留意して政策運営がなされるべき。

・国の債務は増え続けているが、地方(都道府県・市区町村)の債務は2013年あたりをピークに減少傾向にある。引き続き地方財政計画が果たす重要性は変わらない。

・地方の歳出の内訳に関しては、“社会保障関係費の一般行政経費”が増加の一途。そのしわ寄せで“投資的経費(公共事業)”が大きく減少した。ただ、前者に関しては、前述の通り、高齢者数が増え続けるわけではないことにも留意が必要。

・防災減災関連の地方債は、非常に有利な条件で発行できる。国が“防災減災・国土強靭化”に対する取り組みを強化していることの表れ。

「消防・防災行政の諸課題」

・自然災害発生時においては、“緊急消防援助隊”が極めて重要な役割を発揮する。(熱海市の土石流災害や平成30年7月西日本豪雨など、具体的な出動実績についてご説明あり)

令和5年度の予算においても、総額約137億円のうち、約52億円を緊急消防援助隊の充実強化に配分。

・国として、防災減災・国土強靭化を推進するための事業に、令和4年度第2次補正予算において、総額70億円のうち、65億円を配分。

・引き続き、緊急防災・減災事業債は有利な条件で発行できるようになっており、多額の予算を計上している(企業規模5,000億円)。積極的に活用されたい。

・消防団員数は全国的に引き続き減少中。処遇を改善すべく、令和4年度以降、①年額報酬の標準額を36,500円とした、②支給額が自治体によって様々である出動手当について、1日あたり8,000円を標準額と定めた、③報酬の支給方法を、活動記録に基づいて団員個人に支給することとした。

・全体を通して強調されていたのが“Wise Spending(賢い支出)”の重要性。財政支出の質を改善し、政策効果のより高いものに支出しなければならない、との意味を解釈されます。

・霞が関ではなく、われわれ市町村の現場の具体的な課題に関する話も多く、非常に有意義な講義となりました。また、このご縁も今後に活かさせていただければと思います。

人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町
町長 山神 裕

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