2024/12/5 横浜地方気象台にて研修 ~南海トラフ地震について~
10月、開成町町内の自治会長の皆さんと横浜に行ってまいりました。“令和6年度 開成町自治会長連絡協議会研修会”、お勉強です!
昨年度は、町内に拠点を構えてくださっている富士フイルム先進研究所(2006年開所。56,000㎡)の施設内を見学させていただきました。
今年度は、横浜地方気象台、海上保安資料館横浜館、そして、優成サービス(株)さん(海老名市)を訪問、多くを学んでまいりました。
海上保安資料館横浜館
海上保安資料館横浜館では、北朝鮮工作船の現物、数多くの船体射撃の跡がそのまま残る、実に生々しい姿を初めて見ました。最初は、あまりに衝撃的で直視できませんでしたが、領海侵犯の現場の実態を知り、海上保安の重要性をいまさらながら認識しました。
当該不審船に関しては、覚せい剤の取引が目的であったとのことですが、拉致被害者のことを思い起こさずにはおれませんでした。あらためて、世界の恒久的な平和を願うばかりです。
優成サービス(株)さん
優成サービス(株)さんは、今年度、開成町と「災害時における福祉バイオトイレカー提供に関する協定」を締結いただいた企業です。
バイオトイレは、おがくずに含まれる土壌細菌の力により、汚物を分解する仕組みのトイレ。水も汲み取りも不要であることから、特に断水時において、その威力を発揮します。
また、同社の福祉バイオトイレカーには車いすリフトが装着されており、車いすを利用されている方も、ご利用いただける点がポイントのひとつです。
自治会長の皆さんにも、災害発生時の対策として、その有効性をご理解いただけたものと思います。今後も、いざという時のために、協定締結先と顔の見える関係づくりに努めてまいります。
※同社との協定締結に関してはこちらから(2024/6/10付け町長ブログ)
横浜地方気象台
横浜地方気象台では地震や雨、風等々、中身の非常に濃い講義を多数いただきました。今年は、年初の能登半島地震に始まり、神奈川県内各地でも大地震や台風による被害が出ました。自ずと自然災害への関心が高まっている中で、タイムリーなテーマばかりで、とても有難かったです。
南海トラフ地震について
火山防災官の白土氏に”南海トラフ地震について”、基本的なところからご説明をいただきました。資料を添付いたしますので、適宜、ご参照ください。
〇南海トラフ地震とは?
・駿河湾から日向灘沖までのプレート境界を震源とする大規模地震。
・これまで、概ね100~150年間隔で発生。前回は1946年、約80年が経過し、次の切迫性が指摘されている。
・過去には想定震源域のほぼ全域で発生したことがあるが、前回は、東側半分で発生した後、時間差をもって残り半分の西側の領域で発生。
〇南海トラフ地震臨時情報とは?
・南海トラフ地震の発生可能性が通常と比べて相対的に高まったと評価された場合に発表される。
・“発生可能性が通常と比べて相対的に高まったと評価された場合”とは、
①想定領域でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合
②想定領域のプレート境界面で通常とは異なるゆっくりすべりが発生した可能性がある場合の2パターンのいずれかの場合。
・①もしくは②の場合、5~30分後に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表される。
・その後、地震のマグニチュードの大きさや調査の結果に応じて、④南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)、⑤南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)、⑥南海トラフ地震臨時情報(調査終了)が発表される。
・8月8日、日向灘を震源とする最大震度6弱(マグニチュード7.1)が発生した際に、⑤南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されたのは記憶に新しいところ。
初めてということもあり、近い将来、巨大地震が起きるのか?そもそも何をすればよい?解除の定義は?など混乱してしまった方が少なくなかったかと思います。
この⑤南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)は、“発表後1週間は、日ごろからの地震への備えを再確認する”、“1週間経過後は、地震の発生に注意しながら、通常の生活を送る。ただし、大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではないことに留意”とされています。
ただ、④南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合は、“津波からの避難が間に合わない一部の地域では、引き続き1週間、避難を継続”とされ、具体的な避難行動が求められます。
※南海トラフ地震に関して、より詳しい情報はこちらの気象庁のサイトをご参照ください。
研修では、風雨災害などについてもご説明いただき、学ばせていただきました。また機会があれば、こちらでもご報告させていただきます。
災害から命を守るために
町民の皆様におかれましては、日ごろから災害に備えていただき、いざというとき、まずは自らの命、そしてご家族の命、ご近所様の命を守る行動をお願いいたします。
町としても、町民の皆様の命を守るための務め、すなわち“公助”を全力で発揮いたしますが、命を守るために最も重要なのは自助、そして次が共助であることをあらためてご認識いただき、備えていただきますよう、よろしくお願いいたします。
人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町 町長 山神 裕