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2024/11/25 ふるさと納税99億円の町・茨城県境町を視察

神奈川県町村会の行政調査として、11月12日(火)・13日(水)、茨城県・境町を訪問、ふるさと納税関連を中心に、同町の様々な取り組みをご説明いただき、町内各所を視察させていただきました。

ふるさと納税99億円の町

境町は、“ふるさと納税99億円(R5年度)”、“自動運転バス”、“多数のPFI住宅”、“英語移住”、“スケートボード場をはじめ多数の世界トップグレードのスポーツ施設”等々で、自治体行政業界では超有名な町です。

私自身は、2年前、東洋大院在学時に、同町のまちづくりに幅広く、且つ深く関与されている㈱さかいまちづくり公社の野口代表から講義を受けました。その内容が衝撃的であったこともあり、その後、プライベートで一日、現地を訪ね、町内各所を見て回りました。

今回、それらを踏まえ、相応の予習を済ませたつもりでおりましたが、この1、2年でさらに進化し、一段と積極的なまちづくりの現場を目の当たりにすることとなりました。。。

町内各所を視察

先に、ご案内いただいた町内の施設について、一部をご紹介します。

自動運転バスに試乗
(時速20㎞、外から見ていると遅く感じましたが、乗ってみると思ったよりも速く感じました。“人が飛び出しても止まること“も見せていただきました。また、樹木の枝が伸びたり、路上駐車の車があったりした場合、要は、記憶した情報と異なる事象が発生した場合も、止まったり、それらを避けて進むこともこの目で確認しました。)

PFI住宅
(国の補助金を活用、民間企業も資金を拠出、家賃収入で投資を回収するスキーム。今年度で7期目。集合住宅のみならず、“25年間住み続けると無償譲渡される戸建て住宅”も増加中であり、移住&定住促進に結びついているデータも確認しました。)

・境町グランピング施設、人工サーフィン施設“S-wave”、境町ドローンラボ・ドローンフィールド、小児科専門医院など(いずれも、町が建設・所有→民間に賃貸し)

・さかい地域産業センター“S-Lab”、“S-Lab 4th”、“S-Lab 5th”など(いずれも地場農業の六次産業化のための施設。干し芋やウナギの加工、ワイン製造など。すべてふるさと納税返礼品)

・境町アーバンスポーツパーク2nd(指定管理者制度。指定管理費ゼロ)
・(町が建設・所有→民間に賃貸し)
・境町ホッケーフィールド(オリンピック仕様。日本代表選手2名が地域おこし協力隊として活動)
・境町ホッケーフィールドのクラブハウス(企業版ふるさと納税による一条工務店からの寄附。災害時には仮設住宅として活用可)

他の多くの自治体との相違点

これまでの行政業界で常識とされた域を超越した、積極的且つ先進的な取組の数々と、それらの突出ぶりに、あらためて非常に強い刺激とショックを受けました。

その突出ぶりに関する評価はいったん置くとして、開成町を含む多くの基礎自治体との“違い”は何か?あらためて考えてみました。私は、以下のポイントが、ケースによっては決定的かつ非常に大きく、異なる/異なっていた、と考えます。

① 町長やまちづくりに関わる人々、職員の危機感(過去における財政難、人口減少、少子化、高齢化などの課題に対して)
② 町長、まちづくりに関わる人々の「経営」感覚
③ 民間との連携度合い(社数、分野の多さと深さ。まちづくりのコンサルを最大限活用)
④ 徹底的な補助金・交付金、地域おこし協力隊の活用
⑤ 町長の強烈なトップダウン

私としては、開成町において、最終的には開成町民の幸せのために、何をどのよう取り組んでいけばよいのか、あらためて、冷静に考えるよいきっかけを与えていただきました。

境町のまちづくりの手法は、真似しようにも一朝一夕には真似できない代物ですが、参考にすべき/学ぶべき点は少なくなく、開成町流にアレンジできる可能性は十分にあると感じました。

※同町・橋本町長からの講義においてご説明いただいた各種取組に関しては、こちらの開成町ホームページ(町長の部屋-視察報告)に掲載しております。

人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町 町長 山神 裕