2024/9/12 開成町青少年問題協議会 & いじめ問題対策連絡協議会
9月2日(月)、令和6年度 開成町青少年問題協議会と開成町いじめ問題対策連絡協議会が開催されました。
前者は、地方青少年問題協議会法に基づき設置され、青少年の指導・育成・保護・きょう正に関する総合的な施策の必要な事項の調査・審議、施策の適切な実施のために関係機関の連絡調整を図ることなど目的に、開催・運営されております。
後者は、開成町いじめ防止基本方針に基づき設置され、いじめの実態把握と分析や、いじめ防止のための関係機関の連携などを目的に開催・運営されております。
両協議会の委員は兼務いただいており、所定の選出区分に基づき、町議会議員、教育委員、松田警察署員、保護司、放課後子ども教室コーディネーター、自治会長、民生・児童委員、少年補導員、青少年指導員、婦人会、文命中学校PTAと同校長によって構成されております。
両協議会において、今年度実施された青少年育成関連事業の報告や、町立小中学校におけるいじめ認知件数等の報告がなされ、松田警察署管内における青少年事件・犯罪の状況や町立小中学校の児童・生徒の最近の様子などについて情報提供をいただきました。その上で、委員による意見交換を行い、課題の抽出や今後の対策などを協議しました。
青少年の犯罪に関しては、全国的な傾向と同様に、松田警察署管内においても、令和5年度は犯罪件数は前年度比で増加、特に窃盗犯(オートバイ盗や自転車盗)が増加したとのことでした。
ただ、文命中学校の生徒に関しては、近年、非常に落ち着いた状況とのご説明をいただきました。教職員の皆さん、そして両協議会の委員をはじめ地域の皆さんのお陰と感謝いたします。
いじめに関しては、全国的には増加傾向にあり、特に警察庁などのデータ上は、低年齢化が見て取れます。
そして、こども家庭庁の資料などによれば、令和4年、小中高生の自殺者数が過去最多となってしまいました。
自殺の原因・動機としては、学業に関連するものが高い比率を占めますが、家庭問題や健康問題、学友との不和などが挙げられております(いじめを原因とするものは総数514件のうち8件でした)。
警察庁の少年非行等に関する資料の中で、私が最も気になったのはいじめ被害者の相談状況でした。
コロナ禍からアフターコロナとしての令和5年の間で見ると、“保護者に相談した”と“学校の先生に相談した”が減少し、“相談しなかった”が増加していました。
この変化は、(コロナ禍における社会環境の変化や、その後の物価上昇などが保護者・家庭環境にマイナスの影響を及ぼした可能性も踏まえ)子どもたちにとって身近に相談できる人の存在や、“居場所”の存在がこれまで以上に大事になってきていることを示唆している、と解釈しました。
一方で、“警察などの相談機関に相談した”が過去10年間では最高水準に増加していました。公的機関が果たす役割が一層重要になってきていると言えそうです。
委員からは、『開成町はいい意味で顔の見える関係性が保たれている』、『しっかりとあいさつができる子どもたちがとても多い ; 地域で子どもたちを育てる文化がいまでも残っている』と前向きな意見・感想が複数出されました。
松田警察署員からは『犯罪者が近寄らない/嫌がるのは“あいさつが交わされている地域”』と、証言等に基づく根拠ある情報をいただきました。
東日本で最も小さい町、人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町の良さはこうした顔の見える関係、地域で子どもを育てる文化だと思います。地域の絆や、顔の見える関係は、特に災害時などにおいて威力を発揮するともされています。
今後も、町民の皆さん、そして関係機関各位のお力添えをいただきながら、この良き文化を維持し、継承していきたいです。
ただ、一方で、価値観の多様化等々により、地域の縁はゆるやかながらも薄れつつあるのが世の流れであり、過度なつながりやしがらみに生き難さを感じる方々が増えているとも認識してます。
これからの時代に求められているのは、その中間、いい塩梅の“緩やかなつながり“ではないかと考えています・・・。
人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町 町長 山神 裕