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2023/12/1 図書館を核とする複合施設「tette」

11月18日(土)、福島県は須賀川市を訪れました。目的は、図書館を核とする複合施設「tette」(正式名称: 須賀川市民交流センター)を視察するためです。

開成町職員の推奨を受けての行動ですが、開成町の都市計画道路・駅前通り線土地区画整理事業の周辺整備において、私が構想を描いている同じ“図書館を核とする複合施設”として参考になる点を求めて向かいました(私費による個人旅です)。

「tette」は市民の生涯学習の推進及び様々な市民活動の支援を図るとともに、世代や分野を超えた市民交流を促進し、もって東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地中心部に賑わいと活気を取り戻し、震災からの創造的復興の実現を図ること“を目的として、2019年1月に開業。

地上5階建て、延べ床面積約13,700㎡ととにかく広く(参考: 開成町庁舎 3,893㎡、開成町図書室 162㎡)、ゆとりのある空間が創出され、須賀川市中央図書館と須賀川市こどもセンター(ネット遊具などの”わいわいパーク“、子育て支援センター、預かりルームなど)、円谷英二ミュージアム、貸館エリアなどが同居しています。

図書館は以下の通り、各階がそれぞれの特色をもって配架されています。
・2階: こどもライブラリー(読み聞かせなどを行うイベントスペースあり)
・3階: メインライブラリー(グループルーム、視聴コーナー、朗読室、たたみ部屋、クッキングルーム等あり)
・4階: 調べるライブラリー(専門書、郷土資料など。防音機能が付いた複数の部屋等あり)

印象に残った点、参考になりそうな点は以下の通りです。

・私が最もこだわる“学習・閲覧スペース”は、様々な形態でそこかしこに配置され、申し分のない量と質。

・職員さんが非常に多い!市直営で運営されているとのこと、経費の負担についていずれ伺ってみたい。

・非常にたくさんの“特集コーナー(”SDGs“、”家族“、”災害“、”美術“など)”

・各階に広い屋外テラスあり、その形態もこども向け、つくろぎ用など様々。季節によっては快適!非常に贅沢な空間との印象。

・子どもセンターが同居していること、こどもライブラリーが1フロアーを占めていることなどから、主たるターゲットを子ども&子育て世代と中高生に置いていると感じられたが、シニア層も十分に憩える空間もあり、トータルでは全世代の交流が促し得るものと考えられる。

・建築デザインについて。正直、私自身は深い造詣がなく、格別のこだわりがない分野になりますが、随所にこだわりや工夫が見られます。図書館や子育て支援などそれぞれの機能がシームレスに繋がっていること、1階フロアーに傾斜があり、すべて斜面で構成されていること、高い吹き抜けと回廊のようなスロープにより、1階のホー
ルを2階からも見下ろせる構造、交通標識のような案内板、書架の分類表示板が書き込み可能であること等々。

・「円谷英二氏」、「ウルトラマン」、「特撮」に纏わる展示は、全国の愛好家を集めるに足る希少性があると見受けられた。

・強い興味を惹いたのが1階の“チャレンジショップ”。1~2年間限定で、カフェと物販スペースを貸し出し、テナントが入れ替わる仕組みです。地元で商いを始めたい人にとってステップアップの場として活用されているとのことでした。とても面白い取り組みであり、市民・ユーザーにとっての都度の目新しさが集客力を高める効果
もありそうです。

まとめとして。復興交付金も活用した非常に大型の投資であり(本体建設費 約77億円)、単純に我が町に置き換えることはできないものの、図書館を核とすることによる集客力の向上と多世代交流の促進という効果は見られる、との印象です。

また、JR須賀川駅からは約1.3㎞と、駅近の利便性を活かした立地ではないものの、市内循環バス(1乗車100円)や生活路線バス(料金は距離による)、乗合タクシー(1回片道500円)など公共交通が非常に充実していることと、近隣を含めた駐車スペースの多さ(専用は80台分)がアクセスの課題を解消していると感じま
した。

開催中の市民交流イベントに参加されていた市職員の方からお話を伺うことができ、次回にもつながる幸運にも恵まれました。ウルトラマンのまち・須賀川市、職員の皆さんにもいずれ訪れていただきたいと思います。

人と自然が調和した田舎モダンのまち・開成町 町長 山神 裕

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